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大都市だいとしの喧騒けんそうを離はなれ、一歩いっぽ、路地ろじの奥おくへ足あしを踏ふみ入いれると、そこには別世界べつせかいが広ひろがる。表通おもてどおりの賑にぎやかさとは対照的たいしょうてきに、静寂せいじゃくが支配しはいし、時間じかんの流ながれが緩ゆるやかに感かんじられる。

古ふるい木造もくぞう家屋かおくが肩かたを寄よせ合あい、軒先のきさきには鉢植はちうえの花々はなばなが彩いろどりを添そえる。猫ねこが日向ひなたぼっこをし、どこからか味噌汁みそしるの香かりが漂ただよってくる。人ひと々の営いとなみが近ちかくに感かんじられ、懐なつかかしさと温あたたかさが胸むねを満みたす。

観光客かんこうきゃくが訪おとずれることのない、地元じもとの人ひとだけが知しるような小ちいさな飲食店いんしょくてんや雑貨店ざっかてんがひっそりと佇たたずむ。扉とびらを開あければ、店主てんしゅが笑顔えがおで迎むかえてくれ、束つかの間ま、日常にちじょうの喧騒けんそうを忘わすれて心こころを癒いやすことができる。

こうした路地ろじの奥おくにこそ、日本にほんの古ふるき良よき風情ふぜいが息いきづいていると感かんじる。新あたらしいものが次々つぎつぎと生うまれ変かわる時代じだいの中なかで、変かわらない価値かちを見出みいだせる、貴重きちょうな空間くうかんなのではないだろうか。

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