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都会とかいの喧騒けんそうから少すこし離はなれた路地裏ろじうらに、私わたしだけの秘密ひみつの場所ばしょがある。そこは年季ねんきの入はいった木製もくせいの扉とびらが特徴とくちょうの小ちいさな喫茶店きっさてんだ。店内てんないに足あしを踏ふみ入いれると、豆まめを挽ひく音おとと、深ふかく香かおるコーヒーの匂においが迎むかえてくれる。古ふるいジャズが静しずかに流ながれ、窓まどからは午後ごごの柔やわらかな日差ひざしが差さし込こむ。私わたしはいつも同おなじ窓際まどぎわの席せきに座すわり、一杯いっぱいのブレンドコーヒーを注文ちゅうもんする。

喫茶店きっさてんのマスターますたーは寡黙かもくだが、その丁寧ていねいな仕事しごとぶりには確たしかな哲学てつがくが感かんじられる。カップに注そそがれるコーヒーは単たんなる飲のみ物ものではなく、一杯いっぱいの芸術品げいじゅつひんのようだ。私わたしはここで、読書どくしょをしたり、考かんがえ事ごとをしたり、あるいは何なにもせずにただ時間じかんが過すぎるのを待まつ。すると、日頃ひごろの忙いそがしさで疲つかれた心こころが不思議ふしぎと癒いやされていくのがわかる。この小ちいさな空間くうかんは、私わたしにとって都会とかいの中なかの「オアシス」であり、日常にちじょうの中なかに隠かくされた小ちいさな幸福こうふくを見みつける場所ばしょなのである。

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